※AI生成のお話です。
これは私の友人の田中から聞いた不可思議な出来事だ
田中は高校バスケ部のキャプテンで、いつも練習熱心だった。梅雨明け間近の蒸し暑い6月のある夜、いつものように部活を終え、日が沈んだ後の帰り道を一人で歩いていた。汗が冷えて背筋が少し寒い。
学校の裏門に向かう細い道は、街灯が少なく、日中でも薄暗い場所だった。両脇には背の高い木々が生い茂り、夜になると月明かりすら遮られてしまう。田中はその道を毎日のように通っていたため、特に気にすることもなく歩を進めていた。
その夜は異様な蒸し暑さで、セミの鳴き声が耳につくほど響いていた。裏門まであと数十メートルというところで、田中は人影に気付いた。白いワンピース姿の女性が、裏門の前に立っていたのだ。
ワンピースは古びていて、裾には泥のような黒ずみがついている。「こんな時間に誰だろう?」と思いながら近づいていくと、女性はゆっくりと、まるで時間が引き延ばされたかのようにゆっくりと振り返った。その瞬間、田中の血の気が引いた。
真っ白な顔。化粧でもメイクでもない、まるで漆喰を塗ったような不自然な白さ。その肌には細かなひび割れが無数に走り、まるで古い陶器のよう。そして、その中に浮かぶ漆黒の目。まるで深い穴が空いているかのような、光を全て吸い込んでしまうような漆黒の瞳。薄く開いた唇は、微かに上向きに歪んでいた。
その瞬間、セミの声が突然途絶えた。耳鳴りのような不気味な静寂が辺りを包み込む。時計の針が止まったかのような感覚。田中は足が竦んで動けなくなった。
女性は微動だにしないのに、どこからともなく「カツ、カツ」という靴音が聞こえてくる。そして、かすかな啜り泣きのような声。女性の姿は一歩も動いていないのに、その存在が徐々に近づいてくるような感覚に襲われた。
パニックに陥った田中は、ようやく動けるようになった足で、来た道を全力で走って逃げ出した。背後から誰かが追いかけてくるような気配。しかし、振り返る勇気はなかった。ただひたすら走った。気が付けば学校の正門まで戻っていたが、腕時計を見ると、わずか2分しか経っていなかった。
それ以来、田中は決して一人では裏門を通らなくなった。他の部員に付き添ってもらうようになり、練習時間も早めに切り上げるようになった。
後日、学校の古い記録を調べていた図書委員が興味深い事実を発見した。30年前、その裏門付近で若い女性教師が事故で亡くなっているという記事だった。その教師は白いワンピースを着ていたという証言が残されていた。しかし、事故の詳細は妙に曖昧で、教師の遺体が発見された時、両目が見開かれたまま、凍りついたような表情を浮かべていたという記述だけが、妙に生々しく残されていた。
以来、バスケ部では夜遅くまでの練習が禁止された。しかし、今でも月明かりの薄い夜には、裏門の前に白いワンピースの女性が佇んでいるという噂が絶えない。最近では、バスケ部の古い部室から一枚の写真が見つかった。30年前の職員写真だという。写真に写る若い女性教師の姿は美しかったが、不思議なことに、その目の部分だけが、焼け焦げたように黒く穴が開いていた。
ただし、これらの真偽のほどは誰も確かめようとはしない。だって、あの漆黒の瞳をもう一度見たいと思う者など、誰もいないのだから。


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